物語
「物語の世界を生きる」
僕の人生のテーマになりつつあるかもしれない。
あまりにも短くて長い〈ぼく〉の人生の中で、如何に、ロマンティシズムを自らのうちに体現することができるか。
如何に、究極のロマンティシズム─それは、同時に強大なコンテンツ性を伴うだろう─に到達するか。
焦らずゆっくりと、かつ捨象を繰り返しながら、〈ぼく〉はその目標に向かっていく。
現時点で、もっともイメージがしやすく、かつ象徴的・神秘的で、大きなロマンティシズムを出現させることが可能であろうと思われるイベントは、やはり恋愛だろう。
振られることは経験した。そして、ぼくは、一度も「彼女/恋人」ができたことがないのだから、「彼女/恋人」ができたときの感情/感動はやはり、言語化できないほど、特別なもの(大きなロマンティシズム)になるのではないか。
なぜなら、創作に愛は不可欠なものだからだ。
ロマン派以降の創作は、その独断的本質からいって、意味的である必要がある。
愛は、もっとも簡単に、かつ強靭に、世界に「意味」をもたらすツールなのかもしれない。